過去のメトリクスの取り込み

概要

過去のメトリクスの取り込みを有効にすると、送信時刻よりも 1 時間以上前のタイムスタンプを持つメトリクス値を収集できますが、メトリクスの総保持期間 (デフォルトは 15 か月) を過ぎたものは収集できません。

過去のメトリクスの取り込みをメトリクスで有効にすると、障害からの復旧、誤った値の修正、IoT の遅延管理など、さまざまなユースケースで役立ちます。

過去のメトリクスの取り込みとは?

過去のメトリクスの取り込みフローが有効であることを示す図

Datadog では、タイムスタンプの時刻から 1 時間経過した後に送信されたメトリクスポイントを、過去のメトリクスとして分類しています。過去のメトリクスの取り込みが有効になっていない場合、1 時間経過した後に送信された送信されたメトリクスの値は取り込まれません。

例えば、メトリクス (exampleMetricA) が午後 1 時 00 分 (EST) に Datadog に値を送信し、その値のタイムスタンプが午前 10 時 00 分 (EST) だとします。このメトリクスの値は、タイムスタンプが送信時刻よりも 3 時間古いため、_過去_に分類されます。

過去のメトリクスの取り込みを有効にして、同じタイムスタンプと、同じタグ-値の組み合わせを持つ複数の値を Datadog に送信した場合、Datadog はより直近で送信された値を保持します。つまり、同じタイムスタンプで、X の値を持つメトリクスと Y の値を持つメトリクスを送信した場合、より直近で送信された値が保持されることになります。

Metrics Summary ページで、カウント、レート、ゲージのメトリクスタイプについて過去のメトリクスの取り込みを有効にすることで、過去のメトリクスの取り込みを開始することができます。

: 過去のメトリクスの取り込みは、ディストリビューションメトリクスでは利用できません。

構成

特定のメトリクスについて過去のメトリクスの取り込みを有効にするには:

  1. Metrics Summary ページに移動します。
  2. 過去のメトリクスの取り込みを有効にしたいメトリクスの名前をクリックして、メトリクスの詳細サイドパネルを開きます。
  3. サイドパネルの Advanced セクションで Configure をクリックします。
  4. Enable historical metrics トグルを選択し、Save を押します。
Metrics Summary ページで、Historical Metrics ファセットパネルが表示され、Metric 詳細パネルの Advanced セクションで Enable historical metrics のオプションが選択されている様子

複数のメトリクスの一括構成

複数のメトリクスについても、個別に構成を行うのではなく、過去のメトリクスの取り込みをまとめて有効にすることができます。

  1. Metrics Summary ページに移動し、Configure Metrics ドロップダウンをクリックします。
  2. Enable historical metrics を選択します。
  3. メトリクスのネームスペースの接頭辞を指定すると、そのネームスペースに一致するすべてのメトリクスで、過去のメトリクスの取り込みを有効にできます。

過去のメトリクスの送信

過去のメトリクスの取り込みを有効にした後は、API または Agent を通じて過去のタイプスタンプを持つメトリクス値を送信できます。

API

API を使用すると、ペイロードに過去のタイムスタンプを含むメトリクス 値を送信することができます (上記のユーザーインターフェイスを通じて、そのメトリクス名で過去のメトリクスの受け入れが有効になっている場合)。

"""
メトリクスを送信すると、"Payload accepted" の応答が返されます
"""

from datetime import datetime
from datadog_api_client import ApiClient, Configuration
from datadog_api_client.v2.api.metrics_api import MetricsApi
from datadog_api_client.v2.model.metric_intake_type import MetricIntakeType
from datadog_api_client.v2.model.metric_payload import MetricPayload
from datadog_api_client.v2.model.metric_point import MetricPoint
from datadog_api_client.v2.model.metric_resource import MetricResource
from datadog_api_client.v2.model.metric_series import MetricSeries

body = MetricPayload(
    series=[
        MetricSeries(
            metric="system.load.1",
            type=MetricIntakeType.UNSPECIFIED,
            points=[
                MetricPoint(

                    """ ここで過去のタイプスタンプを追加します """
                    timestamp=int(datetime.now().timestamp()),
                    """ *********************** """

                    value=0.7,
                ),
            ],
            resources=[
                MetricResource(
                    name="dummyhost",
                    type="host",
                ),
            ],
        ),
    ],
)

configuration = Configuration()
with ApiClient(configuration) as api_client:
    api_instance = MetricsApi(api_client)
    response = api_instance.submit_metrics(body=body)

    print(response)

Agent

Agent を使って過去のメトリクスを送信するには、Agent バージョン 7.40.0 以降がインストールされていることを確認します。このバージョンには、新しい DogStatsD インターフェースが含まれ、JavaGoLang.NET をサポートします。これにより、Agent を通じて過去のメトリクスポイントを送信することが可能になります。

import com.timgroup.statsd.NonBlockingStatsDClientBuilder;
import com.timgroup.statsd.StatsDClient;
import java.util.Random;

public class DogStatsdClient {

    public static void main(String[] args) throws Exception {

        StatsDClient Statsd = new NonBlockingStatsDClientBuilder()
            .prefix("statsd").
            .hostname("localhost")
            .port(8125)
            .build();
        Statsd.gaugeWithTimestamp("example_metric.gauge_with_timestamp", new Random().nextInt(20), 1205794800, new String[]{"environment:dev"});
        Statsd.countWithTimestamp("example_metric.count_with_timestamp", new Random().nextInt(20), 1205794800, new String[]{"environment:dev"});
    }
}

過去のメトリクスの取り込みのレイテンシー

過去のメトリクスの取り込みは、メトリクスのタイプスタンプがどれくらい過去のものかによってレイテンシーが変わります。

メトリクスの遅延取り込みのレイテンシー
1-12 時間ほぼリアルタイムで取り込み (最大 1 時間)
12 時間 - 30 日最大 14 時間のレイテンシー
30 日超14 時間超のレイテンシー

過去のメトリクスの取り込みに対する請求

過去のメトリクスは、インデックス化されたカスタムメトリクスとしてカウントされ、請求されます。請求対象のカスタムメトリクスは、送信されたメトリクスのタイムスタンプによって決まります。タイムスタンプが今日であろうと 15 か月前であろうと関係ありません。そのメトリクス名とタグ値の組み合わせで (タイムスタンプに関係なく) 何らかの値がアクティブに報告されている限り、それが送信された時点でアクティブであるとみなされます。詳細については、カスタムメトリクスの請求のドキュメントを参照してください。

インデックス化された過去のメトリクスは、Plan and Usage ページの Usage Summary セクションで追跡できます。

インデックス化されたカスタムメトリクスと過去のメトリクスの両方が表示されたPlan and Usage ページの Usage Summary セクション

その他の参考資料

PREVIEWING: ida.adjivon/DOCS-9781-V2